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第七回 車内の睡魔

電車の「ガタンゴトン ガタンゴトン」という無機質な音が、心体の疲弊した日本人を幾度となく夢の世界へ連れて行ってくれたことは皆さんも知るところだろう。目的地を何度も寝過ごした私が考える、あの音の魅力。

もし無音ならばバッグやコートの擦れる音など人為音が気になってしまい寝ることは難しい。しかしあの音がそれらをかき消してくれる。だからと言って自身の音量もそこまで大きくない。人為音が気になってしまうのは人間の性である。コツッという音でハイヒールを、咳で風邪を、サッという音で前に立つ人の微動を連想してしまう。しかしガタンゴトンという音はもう耳に馴染んでいてわざわざ気にとめることもないのだ。